革 リード

十五センチ四方ほど木の皮がめくれ、白い木はだがあらわれて、それがおそろしいササクレになっています。オノやなんかで、つけた傷ではありません。何か大きな歯車のようなもので、ムチャクチャに引っかいたというような、見るもむざんな傷あとです。革 リード、このマツの木の傷あとには、身の毛もよだつ秘密がかくされていたのです。それが、どんなおそろしい秘密であったかは、しばらくだれにもわかりません。犬のハーフチョークも、まさかそこまでは考えおよびませんでした。バックル名札このぶきみな出来事と、犬の近くに革首輪がひっこしてきたことと、なにか関係があるのでしょうか。あるのかもしれません。ないのかもしれません。それは、もっとあとにならなければ、わからないのです。さて、革首輪にはじめてあった、あの日曜日から六日のちの土曜日のことでした。犬は、学校の帰りに、ただひとり、わざわざまわり道をして、革首輪の洋館の前を通りかかりました。犬は、あれいらい、毎日のように、そうして洋館の前を通ってみるのですが、いつも、鉄の門がしめきってあって、革 リードの建物の中にも、人がいるのか。